振袖の値段って? 価格を決める3つの要因とは?

isato-tanigi ニュース

こんにちは! きもの処たにぎです。

十二月の一週目が終わり、今年も残すところあと少し。振袖選びは順調ですか?

振袖は、成人式や卒業式、結婚式などハレの日に身にまとう、特別なもの。そんな特別な装いですから、なおさら質の良いものを選びたいですよね。

しかし「質が良い」ものは、どうしてもお値段が張りがち。振袖を選ぼうと調べはじめて、金額はもちろん、その値段の幅広さに驚かれた方も少なくないと思います。

ひとくちに同じ「振袖」と言っても、ものによって値段は様々。全国的な相場価格は、二、三十万円。安いものだと五~十万円、高いものでは三百万越えの振袖なども存在します!

レンタルでも、購入でも、振袖選びは特別なお買い物です。長年、

「同じ振袖なのにどうしてこんなに値段が違うのか?」

「どの価格帯の振袖を選べばいいのかわからない」

というような疑問・お困りの声を耳にすることも多いので、今回は振袖の価格を決める三つの要因をご紹介します。


1. 素材

一番は、やはり「素材」の違い。

一般的に、安価なものにはポリエステル(化繊)、高価なものには正絹が使われています。

蚕の繭から繰り取った生糸(きいと)を使って作られる、絹。天然素材の中でも最も美しく、価値の高いものとされる絹は、古くから振袖の素材として使用されてきました。

しかしその希少性と高級さゆえに、振袖が全国で着られるようになるにつれ生産・販売が難しくなってきました。そこで代替品として現れたのが、ポリエステルを使った振袖です。

ナイロンやアクリルとともに日本の繊維業界を支える、ポリエステル。石油など科学的に合成された材料を使って作られたポリエステルは、世界で一番多く使用されている化学繊維だと言われています。

ここで、絹とポリエステルのメリット・デメリットをそれぞれ簡単に整理してみましょう。

正絹のメリット:
  • 保湿性・保温性・発散性が高く肌馴染みしやすい
  • 光沢が美しく、高級感がある
  • 染色性・発色性が高い(染め付けがいい)
正絹のデメリット:
  • シミになりやすい
  • 熱・水に弱い
  • カビや虫害を受けやすい
ポリエステルのメリット:
  • シワになりにくい
  • 丈夫で型崩れしにくい
  • 水に強く、乾きが早い
ポリエステルのデメリット:
  • 静電気が起きやすく、着崩れしやすい
  • 通気性・吸湿性が悪く肌馴染みしづらい
  • 夏は暑く、冬は寒い

「絹だからいい」「ポリエステルだからいい」というわけではなく、それぞれ長所・短所が存在します。

お母様・おばあ様の世代で「ポリエステルの振袖は安っぽい」というイメージが強かったように、確かにポリエステルの発色や光沢は絹には劣るかもしれません。しかし、技術の発達により、最近のポリエステルは昔とは比べ物にならないほど質がよくなっているんです。

「より絹に近い素材を作ろう」とポリエステルそのものの研究が進むのと同時に、インクジェットの技術開発が進み、最近では「パッと見ただけでは絹かポリエステルかの判断が難しい」振袖もたくさん開発されています。

2. 染め方

次は、染め方の違い。

安価なものはインクジェットを使って。高価なものは昔と同じように職人による手作業の染めで色をつけます。

職人による手染めには、大きく分けて「手描染め」「型染め」の二つの技法があります。

一番時間とお金がかかるのが、一枚一枚図案を手描きして染めていく「手描染め」。これは他の染め方と比べると圧倒的に量産が難しく、全国的に職人の数が減ってきていることもありコストがかかります。

「型染め」は型紙を使って染める技法で、「手描染め」よりは同じものをたくさん作りやすいのが特徴ですが、やはり「大量生産」は難しいのが現状です。

「型染め」も「手描染め」も、やはり手染めならではの風合いが魅力です。京友禅などがとくに有名ですが、繊細なグラデーションや鮮やかな色使い、そして色の濃淡の表現の美しさは目を見張ります。

インクジェットの場合は、プリンターを使って生地に直接色柄を印刷していきます。手描き染めや型染と違い、生地の裏面が白かったり生地そのものが薄手だったりするのが特徴です。大量生産することで一枚にかかるコストを下げているので、全国に何枚も同じデザインの振袖が存在します。

全国チェーンのフォトスタジオなどで「振袖フルセット十万円以下!」のようなお得なプランに使われている振袖のほとんどは、ポリエステルの生地にインクジェット印刷が施されたものです。

対照的に、(きもの処たにぎのような)呉服屋さんでは正絹に手染めのお振袖をたくさん取り扱っています。大量生産の振袖より、やはり値段は少し高くなってしまいますが、呉服屋さんの場合は「購入するのが難しい値段の振袖をお得にレンタル」することも可能です。

3. デザイン技法

最後は、デザインや技法による違いです。
当たり前ですが、デザイン性が高い振袖はやはりコストがかかります。洋服にブランドがあるように着物にもブランドがあり、由緒正しい老舗のデザインや有名デザイナーがプロデュースしたもの、そして有名タレントを起用したものは値段が高くなりがちです。

きもの処たにぎInstagramより:「着たくなる日」掲載振袖

また、作り手や技法によっても大きく価格が異なり、 例えば絞りや刺繍などがあると高価になります。

きもの処たにぎ店舗Instagramより:藤むすめきぬたやの絞りの振袖

絞りとは、布を小さくつまんで糸を縛り、その縛った部分のみを染色せず、白く残す技法です。一つの振袖で二十万粒以上絞ることもあり、かなりの労力と時間を費やして制作されるものです。

おわりに

振袖の価格には十万円以下~数百万円もの幅があり、その値段の違いは「素材」と「染め」、そして「デザイン技法」の違いによって生まれます。

「正絹」と「ポリエステル」も「手染め」と「インクジェット」も、それぞれにメリットとデメリットがあり、一概に「どちらのほうが勝っている」とは言えません。

以前「レンタル?購入?振袖購入のメリット・デメリット」の記事でもお伝えしたように、振袖はお客様の用途にあわせて選ばれるのが一番ですし、ご自身が「好き!」と思われるものを着用されるのが一番記念になります。

やはり店舗で実際に手に取り、試着してみることが振袖選びの一番の近道ですので、皆さん是非お気軽にご来店ください!


一生に一度の大切な成人式、素敵なお振袖や小物で着飾りましょう!

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